真のナポリピッツァ協会(イタリア語:Associazione Verace Pizza Napoletana、通称AVPN)は非営利団体としてナポリで1984年6月に創立されており、AVPNの法人事務所及び本部もナポリにあります。AVPNは会長のアントーニオ・パーチェ(Antonio Pace)氏を筆頭に、技術顧問パオロ・スラーチェ(Paolo Surace)氏、会長代行マッシモ・ディ・ポルツィオ(Massimo Di Porzio)及びゼネラルマネージャーのステファノ・アウリッキオ(Stefano Auricchio)氏などの委員会から構成されています。
真のナポリピッツァ協会の目的は大きく分けて二つあります。ひとつ目は、ナポリに古くから伝わる職人の伝統技術を再評価し、ナポリピッツァの伝統が世代交代の中で変わっていくことを少しでも防ぐことです。ふたつ目は、その記憶が失われないように緻密な基準づくりをし、伝統技術を後世に伝えることです。 上記の目的を貫くため、AVPNは特別な商標の保護を行っているだけではなく、真のナポリピッツァの標章取得に係わる国際規約、又はいわゆる「真のナポリピッザァ作り手順国際ガイドライン」も作られています。
現在、AVPNの認定店は世界で四百以上であり、イタリア、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、韓国、アラブ首長国連邦、フランス、ドイツ、日本、ギリシャ、クウェート、マケドニア、ニュージーランド、ポルトガル、チェコ、ロシア、シンガポール、スペイン、スイス、台湾、ウクライナ、アメリカ合衆国にあります。真のナポリピッツァ協会はイタリアにおいてエリアリーダーが代表をつとめますが、外国では真のナポリピッツァ協会アメリカ合衆国(通称VPN AMERICAS)のペッペ・ミエーレ氏及び真のナポリピッツァ協会AVPN日本(通称VPN JAPAN)のエリアリーダーが代表をしています。そして、オーストリア、ブラジル、ドイツ、韓国、クウェートにおけるAVPNの発達はそれぞれジョニー・ディ・フランチェスコ、アンドレ・ネヴォソ・グイドン、カルミネ・デリーア、ドーウォー・チューン、アムル・アルレファイの委任業務です。
2006年9月12日には真のナポリピッツァ協会AVPN日本も設立され、国内におけるナポリピッツァの発達を担うこととなりました。基本的に、AVPN日本の目的も大きく分けて二つであります。ひとつ目は本物のナポリピッツァを日本国内で広く正しく普及させることです。ふたつ目は日本におけるナポリピッツァの価値を守り高めることです。そして、AVPN日本の事業計画は真のナポリピッツァ調理技術普及のための活動、或いはイタリアの協会への認定・加盟希望店舗への手続き取次ぎサービス、及びナポリピッツァのプロモーション活動(宣伝、イベント等)などです。
現在、日本には54店舗の加盟店があります。協会の定める条件をすべてクリアし、正真正銘のナポリピッツァを提供していると認められたピッツェリアのみが、ナポリの伝統的な道化師「プルチネッラ」がピッツァを焼いているデザインのマークとロゴの使用を許可されるのです。また、加盟店には世界共通の通し番号が与えられます*。
*認定番号は取得した順で店舗に割り当てられるので、番号の若い店舗ほど早く認定された店です。番号がさかのぼることはありません。
エリアリーダーは委任者としてAVPNによって指示されている国の地域において真のナポリピッツァ協会を代表しています。彼らの任務の一つはAVPNの国際規約に則った物産会社の存在を確認することであり、そのような会社も加入者としてAVPNに加盟したい場合はエリアリーダーがAVPNとそ の物産会社の関係を保ちます。また、エリアリーダーは自分の地域において真のナポリピッツァに関する文化を常に宣伝する責任者であるといってもいいでしょう。